能古島 – 船旅も楽しめる!花とフルーツと人情味あふれる島 

最終更新日 2023/08/09

フェリー内から見る能古島です。

能古島(のこのしま)は博多湾に浮かぶ周囲12km、人口約650人の小さな島です。弥生時代(紀元前10世紀~紀元後3世紀)の土器が発見されるなど古い歴史を持ち、江戸時代には廻船業で栄えました。能古島の現在の主な産業は、農業、漁業、そして観光です。

福岡の天神からはバスとフェリーを使って約1時間で行くことができます。フェリーは所要時間約10分なのですぐですね。賑やかな福岡市街からすぐ近くのところに、一面の花が咲き、フルーツの特産品に恵まれ、人々のぬくもりあふれる島があるなんて驚きです。

能古島から見た福岡タワー、高層マンションなど福岡市の街並みの景色です。

能古島から見る福岡市街の景色はまた格別です。まるで蜃気楼のように見えたりもします。忙しい都会の喧騒から離れてゆったりした気持ちになります。

ちょっとした船旅気分を味わっての能古島での滞在は、あなたの旅を思い出深いものにしてくれることでしょう。福岡でもおすすめの場所ですので、是非訪れてみましょう。

アメリカの有名旅行雑誌にも紹介されました

能古島は、アメリカの有名旅行雑誌Travel+Leisure誌の2018年の特集、The 14 Most Beautiful Islands of Japanに石垣島(沖縄)、父島(小笠原諸島)と並んで選ばれています。

Travel + Leisure
The 14 Most Beautiful Islands of Japan.
05 of 14 Nokono Island

能古島へのフェリーは姪浜旅客待合所(能古渡船場)から乗船

姪浜旅客待合所

能古島へのフェリーは、姪浜旅客待合所(めいのはまりょきゃくまちあいじょ)、通称、能古渡船場(のことせんば)から出ています。姪浜旅客待合所までは、博多駅、天神、姪浜駅からバスが出ています。

フェリー内に自転車、自動車が停められています。

フェリーは福岡市営渡船で、フェリー料金は、片道大人230円、子供120円です。自転車は片道120円。自動車も載せることができます。

コスモスが咲く時期や、行楽日和の土日はフェリー乗り場に長い行列ができて一度に乗れず、次のフェリーになる場合があるのでご注意ください。海上タクシーが出る場合もあります。

>> 「能古島へのアクセス」を見る

グルメな能古島 おすすめのカフェ、レストランはどこ?

フェリーが能古島に着いて、乗客が下船しているところです。

フェリーは能古島の能古旅客待合所(能古渡船場)に到着します。着くやいなや、いきなり島の非日常なムードが漂ってきてわくわくします。

のこの市と書かれた木造の建物に多くの観光客がいます。

渡船場を出るとすぐに目に入ってくるのは、真ん前にある「のこの市」。

のこバーガーのハンバーガーの横に飲料NOCORITAが置かれています。

のこの市には、唐揚げが美味しいお弁当・お惣菜屋さん「のこのこ亭」、能古島オリジナルのハンバーガー「のこバーガー」、レンタサイクルショップ、パン屋さん、ラーメン屋さんがあります。

のこの市の中にあるショップでフルーツや野菜が販売されています。

能古島の主な産業の一つ農業は、柑橘類の栽培がとても盛んです。4月から6月頃にかけては、甘夏みかん、5月から7月にかけては、ニューサマーオレンジ(日向夏)がとっても美味しいです。また、びわも6月頃にたくさん実をつけます。のこの市では、旬のフルーツがリーズナブルな値段で購入できるので、お土産におすすめです。

能古島オリジナルサイダー「ノコリータ NOCORITA」の瓶です。オレンジ色のラベルが瓶に貼られています。

この能古島で採れた甘夏の果汁を使用した能古島オリジナル飲料「ノコリータ NOCORITA」は、能古島に来たら必ず飲みたい飲み物です。島のいろんなお店で購入できます。別の能古島のオリジナルサイダー「能古島サイダー」とともにデザインもかわいいのでお土産にももってこいです。

カフェかもめ 港を眺めるアットホームなカフェ

カフェかもめの外観です。大きく、能古かもめと書かれています。のれんにはカフェかもめと書かれています。

能古島にはカフェ、レストランはいろいろありますが、ランチは、「カフェかもめ」のランチ定食がおすすめです。

カフェかもめのランチプレートです。

パンとシフォンケーキが美味しくて、港を眺めながらのんびりできるアットホームなカフェです。おばちゃんもとっても優しいです。

カフェかもめの窓からの眺めです。港に漁船が何艘か停泊しています。

カフェ かもめ

住所: 福岡市西区能古473
営業時間: 11:00 – 17:00
定休日: 木・金曜日
TEL: 080 8588 0071

ノコニコカフェで能古のスローライフを満喫

能古島の人気カフェは、ノコニコカフェ noconico cafeです。能古渡船場の前のロータリーの向こう側にあります。かわいいアーティスティックなデザインのお店なのですぐ目につきます。ノコニコカフェは、能古島が大好きだったフランス人の方が始めたお店でした。

今はとっても気さくなご夫婦さんが引き継がれ、能古のスローライフを満喫できる居心地のいいカフェで、つい長居してしまいます。営業時間、お休みは事前にノコニコカフェのツイッターで確認しておくのを忘れずに。

ノコニコカフェ noconico café

住所: 福岡県福岡市西区能古457-1
Access: 能古渡船場からすぐ
営業時間: 11:00~19:00 ツイッターで要確認
定休日: 不定休、雨天、冬季
TEL: 092 892 7201
URL: ノコニコカフェ ツイッター (@noconicocafe)

能古島でシーフードといえば「雑魚ざっこ」で決まり

能古島のレストラン「雑魚」のお刺身丼です。

海に囲まれた能古島ではもちろん漁業も盛んで、農業、観光とともに島の重要な産業です。フェリー乗り場のすぐ横は漁船が停泊する漁港になっています。博多湾内の魚介類の他、アサリ漁、わかめ、そして最近では牡蠣養殖も行われ、「万葉牡蠣」というブランドで人気になっています。

能古島で海鮮料理を食べたい時は、朝、水揚げされたばかりの新鮮な魚を食べることができる、雑魚(ざっこ)がおすすめです。おさかなたっぷりのお刺身丼、雑魚定食(ざっこていしょく)が人気です。

雑魚(ざっこ)

住所: 福岡県福岡市西区能古462
Access: 能古渡船場からすぐ
営業時間: 11:00 – 18:00 *魚がなくなり次第終了
定休日: 月曜日
TEL: 092 891 7420
URL: 雑魚 facebook

家族、カップルはもちろん、一人でも楽しめる能古島アイランドパーク

能古島アイランドパークの入り口です。

能古島アイランドパークは、能古島の北側にある15万平方メートル(37 acre)、福岡にあるドーム球場、福岡PayPayドームの2個分の広さを持つ自然植物公園です。

能古島の山の上に広がる花の楽園、能古島アイランドパークは創業者の久保田耕作氏が鍬1本で開拓し、1969年4月に誕生しました。今こうして美しい景色として花開いていて開拓者スピリッツを感じます。

能古島アイランドパークの花壇にコスモスが一面に咲いています。

アイランドパーク内にはあちこちに花壇があって歩くだけでも楽しいです。メインの花壇は公園の一番北側にある「パノラマ花壇」です。一面の花畑と青い海のコントラストがとても美しいです。

特に、2月下旬~4月中旬の菜の花、3月末~4月初旬の桜、7月下旬~8月下旬のひまわり、そして、10月上旬~中旬はコスモス(早咲き)50万本、10月下旬~11月上旬は遅咲きのコスモスはまさに絶景です。一面の花の中で、あなただけの最高の写真が撮れることでしょう。

「パノラマ花壇」には芝の広場があるのでランチボックス持参でピクニック気分が楽しめてとてもリラックスできます。

アイランドパーク内には、レストラン、バーベキュー場、宿泊施設もあります。駄菓子屋、ミニ動物園、ブランコや手づくりの木製アスレチック、ミニゴルフ「のこのこボール」などもあり、お子さん連れのファミリーもいっぱい遊べます。

能古島アイランドパークへは、能古渡船場からバスで13分、距離にして約3km(1.9mi)です。天候がいい日は、徒歩または電動レンタサイクルで行く人もいます。徒歩または自転車で行く場合、渡船場からは上り坂が続きますが、ところどころ博多湾を見下ろせる絶景ビューポイントがあるのでハイキングとしても楽しめます。

ただし、能古島内はイノシシが出る可能性があるので鈴を持って歩くなどイノシシ対策をしてください。

能古島アイランドパーク

住所: 福岡県福岡市西区能古1624
Access: 能古渡船場からバス「のこのしまアイランドパーク行」で13分
営業時間: 9:00~17:30 月曜日 – 土曜日、9:00~18:30 日曜日、祝日(冬季は平日と同じ)
定休日: 年中無休
入場料: 大人(高校生以上)1,200円、こども(小・中学生)600円、幼児(3歳以上)400円
TEL: 092 881 2494
URL: 能古島アイランドパーク ウェブサイト

白髭神社

白髭神社の鳥居です。

白鬚神社は、能古島の守り神で、島の人たちにとても大事にされています。創建は不明ですが、千数百年前に建てられたと考えられていて、鳥居は江戸時代、1689年に廻船業者により寄進されたものです。白鬚神社本殿の龍の彫刻や絵馬が素晴らしいので必見です。

10月9日には「おくんち」、11月28日には「おまつり」と呼ばれる祭りが開催されます。おくんちの時には、「宮座(みやざ)」という、祭祀 (さいし)を行う特定集団による祭礼が行われます。

宮座は、九州地方、近畿地方など西日本に見られ、古式に則った祭礼が今も行われているため、福岡市無形民俗文化財に指定されています。島独特の文化を見ることができる貴重な機会なので訪れてみるといいでしょう。

白髭神社の境内です。
白髭神社の本殿です。

白鬚神社 しらひげじんじゃ

住所: 福岡県福岡市西区能古719
Access: 能古島渡船場から徒歩約7分

永福寺

永福寺の本殿が木々に囲まれた参道の奥にあります。

能古渡船場から能古博物館に向かう途中に曹洞宗の禅寺、永福寺があります。福岡市中央区今川にある貝原益軒の墓所として知られる金龍寺の末寺で、1602年以前の創建と言われています。

永福寺

住所: 福岡県福岡市西区能古481
Access: 能古島渡船場から徒歩約5分

能古博物館

木々に囲まれた中に、能古博物館の白い2階建ての建物が立っています。

眺めのよい小さな丘の上にある博物館です。博多湾の物語をメインテーマとしていて、大型廻船の模型や民俗資料、能古島出身の画家の絵画の展示などがあり、能古島の歴史、文化を学ぶことができます。

能古焼きの窯跡です。窯跡の保護にために青い屋根に覆われています。

能古渡船場から徒歩10分の距離にあります。渡船場から能古博物館に歩いて行く途中、博物館の施設内に能古焼という焼き物の窯の跡を見ることができます。全長22m、江戸時代中期、1764~1787のわずか20年だけ稼働したとのことです。有田焼の陶工が関わったことから、当時の先端技術の漏洩を防ごうとした佐賀藩の策により短期間で生産を停止したとも言われています。当時、有田焼系磁器と高取焼系陶器を焼成した希少な窯でとても貴重な遺産です。

また、この能古焼の窯跡の近くには日本でも数少ない孔子廟があります。

能古博物館

住所: 福岡市西区能古522-2
営業時間: 10:00 – 17:00
定休日: 月曜日 – 木曜日(祝日は開館)
入場料: 大人400円、高校生以下無料
TEL: 092 883 2887
URL: 能古博物館 ウェブサイト

能古島小中学校

能古島小中学校は、福岡市の公立学校で初の小中一貫校です。英語やITを低学年から取り入れた少人数教育で、能古島外からの入学希望者が多い人気の学校です。福岡市からすぐ近くで、海あり山ありの自然環境抜群の中で学校生活を送ることができる、まさに理想の学校です。

7月には中学校で遠泳の行事があります。対岸の小戸ヨットハーバーがある福岡市西区小戸から能古島まで約1.5kmを泳ぎます。無事泳ぎきってのゴールは感動いっぱいです。

能古島には他にも見どころがたくさん

能古島には他にも、360度の絶景が見渡せる能古島展望台、能古島キャンプ村・海水浴場、早田古墳(そうたこふん)、能古島ゆかりの直木賞作家である檀一雄の文学碑、天皇から一般庶民まで身分を問わず選ばれた世界に例がない歌集「万葉集」の万葉歌碑など見どころがあります。

能古島南端の海岸沿いの道を自転車で走っています

能古島の南側にはきれいなビーチがあります。のんびり、散歩、サイクリングにはもってこいです。このビーチ沿いの道ををさらに進むと、元寇の犠牲者を供養する蒙古塚があります。

白い能古島教会の建物の上に十字架が立っています。

また、能古島にはカトリックの能古島教会があります。昭和初期に長崎県から移住された方々により創立されたそうです。

能古島でたくさん遊んだ帰りのフェリー待ちは「のこや」で一杯を楽しみましょう

能古島で一日楽しく遊んで、フェリーで帰りたくなくなってきますね。日も落ちて暗くなってくると、能古島から見る福岡市街の夜景がとてもきれいです。

フェリーターミナル内には、飲食ができる「のこや」があります。のこやカレー、日向夏を使ったドリンク「ホット日向夏」が美味しい。夕飯定食もあるし、お酒やおつまみも充実しているので、フェリーまでの待ち時間がある時は一杯やっていきましょう。ほろ酔いで能古島での一日を思い出しながらの帰りのフェリーの旅もまた最高です。

のこや

住所: 福岡県福岡市西区能古457-7 能古渡船場内
営業時間: 11:00 – 17:00
定休日: 不定休
URL: のこや facebook

能古島で暮らす人たちのやさしさが島の大きな魅力

能古島は、花やフルーツ、歴史、自然、食に恵まれた島ですが、島で暮らす人たちのやさしさ、あたたかさが島の大きな魅力ではないでしょうか。

フェリーや島の中では、能古小中学校に通う元気な生徒達と出会うことでしょう。とても気さくでフレンドリーな島の人たちがあなたをあたたかく迎えてくれることでしょう。

姪浜旅客待合所までのアクセス

博多駅から

西鉄バス「博多駅前A」より「能古渡船場」下車。所要約45分。

天神から

西鉄バス「天神高速バスターミナル前」より「能古渡船場」下車。所要約30分。

福岡市営渡船 フェリー時刻表(2023年8月現在)

便          能古発   姪浜着   姪浜発   能古着 

1       ◎05:00  ◎05:10  ◎05:15  ◎05:25
2           06:00     06:10     06:15     06:25
3           06:30     06:40     06:45     06:55
4           07:00     07:10     07:15     07:25
5           07:30     07:40     07:45     07:55
6          08:00     08:10     08:15     08:25
7           09:00     09:10     09:15     09:25
8           10:00     10:10     10:15     10:25
9           11:00     11:10     11:15     11:25
10          12:00     12:10     12:15     12:25
11          13:00     13:10     13:15     13:25
12          14:00     14:10     14:15     14:25
13          15:00     15:10     15:15     15:25
14          16:00     16:10     16:15     16:25
15          17:00     17:10     17:15     17:25
16          17:30     17:40     17:45     17:55
17          18:00     18:10     18:15     18:25
18          18:30     18:40     18:45     18:55
19          19:30     19:40     19:45     19:55
20          20:15     20:25     20:30     20:40
21          20:45     20:55     21:00     21:10
22          21:45     21:55     22:00     22:10
23       ◎22:45  ◎22:55  ◎23:00  ◎23:10

*◎印便は、日曜日、祝日は運休

福岡市営渡船 フェリー料金(2023年8月現在)

大人: 230円 片道
小人: 120円 片道
自転車: 120円 片道

*「大人」は中学生以上、「小児」は1歳以上小学生以下。ただし、1歳以上小学生未満は、大人1人につき1人目は無料。

>> 「福岡市営渡船 時刻表・運賃」を見る

能古島内バス時刻表(2023年8月現在)

渡船場前バス停発(能古渡船場→能古島アイランドパーク行き)

7:57
8:45
9:35
10:35
11:35
12:58
13:40
14:35
15:35
16:35
18:05 日曜日、祝日のみ運行。冬季は運休

アイランドパークバス停発(能古島アイランドパーク→能古渡船場行き)

8:20
9:10
10:08
11:10
12:33
13:15
14:10
15:10
16:10
17:28
18:35 日曜日、祝日のみ運行。冬季は運休

*乗車人数が多い時は臨時バスが運行されます。

バス料金(2023年7月現在)

大人: 240円 片道
小人(6歳以上12歳未満): 120円 片道
6歳未満: 無料

参考文献:
久保田耕作(1991). 『能古島事典』. 能古島アイランドパーク.
丸山雍成(1990). 『能古博物館だより』. 能古博物館.

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