九州を代表する温泉地 別府

最終更新日 2021/11/06

別府といえば知る人ぞ知る温泉地です。源泉数、湧出量も日本一です。別府に近づくと漂ってくる硫黄の香りは、ついにい別府にやってきたと、私のワクワク感をさらに高めてくれます。

私が物心つくころには、すでに家族旅行で連れて行ってもらっていました。今でもはっきりとした思い出として残っているもの、それは初めてみた地獄です。まだ小さかった私には、湯気が上がる地獄の中を歩くのは少し恐ろしくて、しかし面白そうな光景も目に入って走り出したいような、ちょっとかけてはまた母のもとに戻るということを繰り返していました。

別府の定番 地獄めぐり

別府の温泉地では、「地獄」を見ることができます。やはりちょっと怖い感じがしますよね。でも、ご安心ください。「地獄めぐり」といって「海地獄」「鬼石坊主地獄」「山地獄」「血の池地獄」「龍巻地獄」「かまど地獄」「鬼山地獄」というそれぞれ個性があり楽しめる地獄とでもお伝えしましょう。

海地獄は、コバルトブルーのきれいな地獄が特徴です。この色はあまり自然の中で見たことがない美しい色合いです。

鬼石坊主地獄は、泥の地獄です。沸騰して湧き上がるお湯が、まるで坊主がひょっこりと頭をだしているように見えることから、このような名前が付きました。

山地獄、ここには温かい蒸気の中で、動物たちがゆったりと暮らしています。

かまど地獄には鬼がいます。3歳くらいの時に鬼と一緒に写った写真があったのですが、それから20年ほどたって同じ場所で写真を撮ってみたのがここの地獄の思い出です。

鬼山地獄はなんとワニたちに会うことができます。運が良ければ、ワニに餌をあげるのを見ることもでき、餌にかぶりつく姿はとても迫力があります。

白池地獄は今までみてきたのとはうって変わり、日本庭園のような雰囲気です。しかし、敷地内には温泉の熱を利用してアマゾンに住む魚を見ることができ、ひとつの地獄で海外旅行をしているようです。

血の池地獄はその名の通り、真っ赤な地獄です。ここも子供のころに本当に血が広がっているのかと思い、母の手を握って歩いたのを今でも母との話題に出てきます。

龍巻地獄では、下から吹き上がる力強い熱湯が周期的に見ることができます。その音がまるで龍が天に舞い上がるときのような光景を想像させてくれます。

地獄をみて楽しんだ後のお薦めは、「地獄蒸し」です。また地獄が続くの、と思われるかもしれませんが、今度は美味しい地獄です。温泉の蒸気熱を使って、お肉や、魚介、お野菜を一気に蒸しあげて調理します。余分な脂分も落ち、上記に含まれる硫黄の香りも少し感じることができ、これを外すことはできません。

お腹も満たされたことですし、次は温泉を巡ってみましょう。ホテルの中にある温泉や地元の方が行く温泉、蒸湯、足湯、手湯など様々な方法で温泉を楽しむことができます。足湯や手湯などは、服を着たままでも楽しめるので、ぎりぎりまで温泉を満喫することができます。ほかにも「足蒸し」というものもあり、こちらは温泉の蒸気を利用します。初めて体験した時は、冬で足が凍っているかのように冷え切っていました。10分ほど蒸されていたら足だけでなく、体までぽかぽかと温めてくれました。普段から寒がりで汗をかくことがあまりない私には、体の芯から温まる不思議な感覚でした。

砂湯でじっくり温まる

そして砂湯もお薦めです。海辺に並ぶ砂湯は特に楽しめます。海辺に横たわると、お店のかたが全身にどっさりと砂をかけてくれます。掘り起こした砂は湯気が見えるほど熱いのですが、そこはプロ、最適な温度になった砂で覆ってくれます。身動きが取れないくらいしっかりと砂で包み込んでくれます。じわじわと体が温まってくるのを感じながら波の音は、眠りを誘います。ぜひ、この幸せな時間を楽しんでいただきたいと思います。

女性におすすめの泥湯がある明礬温泉

温泉も数えられないくらいあり、それぞれ温泉の質も違います。地域ごとに大きく分けると8つあるため「別府八湯」と呼ばれます。私が個人的に大好きで外せないのは、明礬温泉です。ここは、私の心を掻き立てるあの硫黄の香りのもと、硫黄温泉です。

おすすめの泥湯の温泉もあります。こちらは女性必見です。お湯自体は、まさに地獄めぐりで見た、鬼石坊主地獄の温泉です。その泥湯のなかに身体をひたすのです。足元には、泥が沈んでいるので、その泥をすくい、からだや顔に塗っていきます。その後のお楽しみ、それは驚くほどお肌がすべすべになり、自分のお肌じゃないように柔らかくなることです。

あちこちの温泉を巡り、自分好みの温泉地を探すのもいいですし、そこでの地元の方とのおしゃべりして時を過ごすのも楽しいですよ。みなさんびっくりするほどお肌がすべすべです。やはり温泉効果はすごいですね。

私の老後の夢は、別府で湯治をすることです。ひなびた旅館に泊まり、地獄蒸しを食べ、その日の気分で温泉の質を選んで浸る。なんて夢のような話なのでしょう。でもすでに、20年以上もっている夢なのできっと実現できると思います。私にとって別府は、日常の時間の流れと異なり、ゆったりと心を開放して、からだを休めてくれる最高の場所です。数ある温泉の中から、ガイドブックには載っていない自分好みの温泉を見つけてみはいかがでしょうか。

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