神戸の二つの庭(ハーブ園と日本庭園)

最終更新日 2021/06/18

二泊三日の神戸旅行です。一泊目は有馬温泉の「古泉閣」に宿をとりました。東京からの二人の友人と新幹線の新神戸で待ち合わせです。神戸の街は公共交通機関がとても充実しています。街中にはJR東海道本線と並走して阪急電鉄、阪神電鉄が走っており、シティ・ループバスが主な観光場所に連れて行ってくれます。一回の乗車は260円、一日乗車券は660円です。また、コンパクトな街でいろいろ見て回りたい場所が市の中心にあります。この日、私は博多駅を9時33分発の「のぞみ」に乗り、12時に新神戸駅に着きました。数分前に着いた二人と合流して有馬温泉に向かいました。

日本三古湯の有馬温泉

北神急行に乗り、谷上で新神戸電鉄に乗り換え30分足らずで有馬温泉駅に着きます。電話をすると宿の車が迎えにきてくれます。

有馬温泉は秀吉が愛した温泉地です。金の湯、銀の湯があり、とても質の良い源泉かけ流しのお湯にゆったりつかった後、離れで、特別に頼んでおいたおいしい精進料理をいただきました。大満足でした。翌朝も温泉にのんびりつかってから、有馬温泉駅まで宿の車で送ってもらいました。駅近くの土産物店を物色しながら、おみやげ物を買い求めました。「温泉せんべい」や「有馬サイダー」がどの土産物屋さんにも並んでいました。

眺望も素晴らしい布引ハーブ園

新神戸駅に着いた後、ロッカーに荷物を預け、駅に隣接したロープウェイで布引ハーブ園へ行きました。ロープウェイからは神戸の街、港、海の景色が眼下に広がります。ハーブ園にはたくさんのハーブやきれいな花が植えられており、ヨーロッパの庭を思わせます。洋館の中にあるレストランで、おいしい神戸牛がメインのランチをいただきました。「香りの資料館」で80種類もの天然エッセンシャルオイルから、好きな香りを探すこともできます。山頂駅から、風の丘中間駅まで、エリアごとのいろんな庭を眺めながら、そして時には、はるかに見える海を眺めながら楽しい散策の時間を過ごしました。もちろん、いろんなおしゃべりをしながらです。

新神戸駅からは、シャトルバスで今夜の宿「ホテルオークラ」に行くことができました。ホテルについて、少し休憩してから、ホテル近くの神戸震災メモリアルパークを見て、中華街に出ました。中華街で夕食を取ったあと、元町をぶらぶらしてから、ホテルに戻りました。

異人館の立ち並ぶ北野町

翌日はホテルに荷物を預けて、異人館のある北野町へ行って、「風見鶏の館」や「萌黄館」を見学しました。かつて、故郷を遠く離れここに暮らしていた異国の人々のことを思いうかべながら、その生活ぶりを想像して各部屋を見て歩きました。横浜、神戸、長崎は古くから外国とのつながりが強い場所です。貿易港が在り、当時の洋館が残っており、また中華街も共通しており、和、洋、中が混在するエキゾチックな街です。

神戸を代表する日本庭園「相楽園」

ここ神戸に日本庭園があることを今回の旅で初めて知り、行ってみました。「相楽園」と言って、今は神戸市の管理下に置かれている19.566㎡もの広大な敷地をもつこのお庭は元神戸市長の先代小寺泰次郎氏の屋敷に造営された庭だそうです。

池泉回遊式の庭園には、伊予の青石や丹波石、鞍馬石などがふんだんに使われています。総ケヤキづくりの正門近くには、小寺氏が鹿児島から取り寄せたという樹齢300年のソテツが植えられており、日本庭園の中に不思議に溶け込んでいました。玄関近くにある厩舎はかつて小寺氏が使っていたもので洋風の建造物です。また保存のため、北野町から移築されたという和洋折衷の建物は、明治時代、英国人貿易商のハッサム氏が建てたものだそうです。

この庭の中には「相楽園会館」という結婚式場として使われている建物があり、日本庭園には似合わない建物だと思いました。でも中にレストランがあるということで、入ってみました。中には一流ホテルのような雰囲気のロビーや庭を眺められるレストランがありました。洗練された接客スタッフがいて、思いがけず優雅な気分でランチをいただくことができました。

食事の後も広いお庭をゆっくりと見て回りました。すぐ近くには兵庫県庁のツインビルが聳えています。ビルの立ち並ぶ都会の中にこんなに静かで落ち着いた場所があるのは驚きでした。受付の方の話だとあまり観光客も訪れないそうで、神戸の穴場の一つだと思いました。

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