最終更新日 2021/11/06
杵築市は、大分県の国東半島(くにさきはんとう)の南に位置しています。江戸時代は城下町として栄えました。戦時中の被害がなかったため、当時の町並みが残り、散策していると江戸時代にタイムスリップしたような気分になります。
杵築城を中心として、北と南が高台となり武家屋敷が並び、南北の高台の谷間に商人の町を挟むような町並みになっています。2時間ほどで散策できる、おすすめのウォーキングプランをご紹介します。
1. 杵築城
まずは杵築城からスタートです。1394年に木付頼直により築城されました。南は八坂川、東は守江湾、北は高山川といった天然の要塞に囲まれ、高台にそびえ立つ杵築城。600年間、この町を見守ってきました。当時天守閣はなく、石垣や高台のみだったようです。1970年に有志の協賛により現在の模擬天守が建てられました。
現在、城内は歴史資料館として使用されています。貴重な資料などが多く展示されています。日本一小さなお城と言われていますが、天守からの360度見渡せる景観は絶景です!是非、天守閣の展望階まで行くことをおすすめします。お天気の良い日には、四国の佐田岬まで眺望できます。
2. 勘定の坂
杵築城と北台の武家屋敷を結ぶ道が、勘定の坂(かんじょうのさか)です。当時、坂の下に金銭出納の役所(勘定場)があったことから、勘定の坂と呼ばれています。
1段1段の幅が広く、段差が低いことにお気づきでしょうか?これは、馬が登りやすいように配慮されているそうです。また、家老たちを運ぶ駕籠担ぎが、安全のため駕籠の前後(上下)で担ぐのではなく、左右に並んで担いでいたそうです。
当時の人が歩く姿を想像しながら登ると上級武士のような気分になります。
3. 北台武家屋敷通り
上級武士の屋敷跡が並び、藩校の門が残されています。藩校のあったところに、杵築小学校があり、今でも子供たちが藩校の門を元気に通り登下校する姿が見られます。
磯矢邸、能見邸、大原邸と武家屋敷が見学できますが、おすすめなのが大原邸です。手入れの行き届いた立派な茅葺き屋根のお屋敷で、屋敷の中で当時の生活ぶりを見学できます。また、お庭も散策することができます。
4. 酢屋の坂
杵築の観光パンフレットで必ず載っているのが、この酢屋の坂(すやのさか)です。北台武家屋敷から商人の町へつながる石畳の坂道は、非常に風情があり、思わず写真を撮りたくなる場所です。
坂の名前に「酢屋」とあるように、坂の下に酢屋があったそうです。坂を下ると商人の町を挟んで南台武家屋敷へと続く「塩屋の坂」が見えます。
5. 商人の町並み
白壁の建物がならぶ商人の町。北台と南台に挟まれています。杵築を代表する「綾部みそ」は、元々は酢屋だったそうです。白壁には美しい鏝絵(こてえ)と言われる装飾がされています。鏝絵とは、左官職人が漆喰でつくった飾り絵です。
6. 南台武家屋敷
南台へ着いたら、絶景が楽しめる一松邸(ひとつまつてい)がおすすめです。
杵築市の初代名誉市民であり、法曹界や政界で活躍した一松定吉氏の邸宅です。1929年に立てられたものを、現在の南台へ移築され一般公開されています。
一松邸の庭からの眺望は大変素晴らしく、ここから杵築城も見ることができます。また、すぐ近くに、きつき城下町資料館もあり、城下町の歴史をもっと知りたい方におすすめです。
城下町杵築のおすすめのウォーキングプランは、いかがでしたでしょうか?ほとんどの方が、杵築城、北台武家屋敷、酢屋の坂だけを見て帰ってしまいますが、せっかくなら、ぜひ、南台の絶景スポット一松邸にも足を運びましょう!
そして、杵築の城下町の観光では、着物を着て観光すると、各入場施設が全館無料になる特典があります。観光を始める前に、商人の町の通りにある「レンタルきもの和楽庵」で着物をレンタル(3000円から、水曜定休日)するのがおすすめ。3日前までに予約をするとスムーズです。
趣のある杵築の城下町を着物で散策してみませんか?
芦田かおり
オーストラリア、カナダで現地旅行ガイド、国内海外添乗員を経験。総合旅行取扱主任者、インバウンド1級講師、通訳案内士(英語)の資格を生かす旅のプロ。旅行の仕事に携わって17年目。食べるのも写真を撮るのも大好き!現在は、通訳案内士の仕事のかたわら、トラベルライターとして全国の旅の情報をお届けしています。
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