奈良旅行その3 奈良市内から柳生の里

最終更新日 2021/06/18

今日は三輪駅から奈良駅にJR桜井線で戻ります。

JR奈良駅で降りて、奈良の旧市街(奈良町)の商店街を抜けて、今日の宿泊地である神奈備ゲストハウスに向かいます。昔はここの商店街はこれと言ったものがなかったのですが、今は古い町屋などを改造したお洒落な食べ物屋さんなどが増えてきて、ちょっと昔の京都を思い出しました。今の京都のお店はちょっとキラキラしたものが多くなり、人でも多く、ちょっと苦手になってきましたが、奈良町は僕にちょうど良い感触です。

創業440年の墨の古梅園

本当に古いお店もあって、その一つが墨の古梅園です。創業440余年ということだけあり雰囲気も渋いのですが、店に入ると普通のお客さんが墨を買い求める姿が多いのが目につきます。この店の庭に墨を採取するところがあり、本当にたくさんの蝋燭を燃やして煤を取っている姿を見ると驚かされます。ちょっと前までは気軽にこの部分も見せてくれましたが、もう見学はやめているようです。

もう一つ面白いと思ったお店が、蚊帳のお店です。もう日本では蚊帳など作っているところはないと思っていたのですが、こんなところにありました。この吉田蚊帳さんは大正時代の創業とのことですが、蚊帳の他に蚊帳生地を使ったのれんなど作っていて、とてもお洒落です。

6世紀創建の元興寺

この奈良町ですが、中心にあるのが元興寺です。今はそれほど大きくないお寺、山門、塔跡などしかありませんが、もともとは飛鳥にある飛鳥寺が平城京ができたときに移ってきたお寺で、とても由緒のあるお寺です。中世以降廃れて規模は小さくなりましたが、古い歴史を感じさせるところです。こんな街並みの中に、古民家を改造した神奈備ゲストハウスはあります。料金もそれほど高くなく、きれいで一人で泊まるには十分なところです。

柳生を歩く旅

翌朝は早起きして、今回の目的である柳生への歩き旅です。ゲストハウスの前の小道を春日大社の森を左に見て、ずっと東の方向に歩いて、坂をしばらく登っていくと山道になります。これが有名な滝坂の道で、江戸時代に柳生十兵衛が歩いた道です。自分は山歩きをよくするのですが、ここは山歩きの道としても美しい、渓谷沿いの道です。

峠の茶屋

道中には首切り地蔵などがある雰囲気もある道ですが、坂を上り切ると舗装道になり、それをしばらく行くと峠の茶屋にでます。ここは大正、昭和の建物でしょうか。高齢の男性が、猫と一緒にお店の中にいます。

話してみると、この方が持ち主で、自分が作った葛餅を食べていけと私に話しかけてくれました。小皿で800円ですが、僕はこのようなときには積極的に話にのることにしています。話を聞いてみると、自分で近くの葛を掘ってきて、粉にして餅を作るそうです。他に売っているものは缶ジュースぐらいで、とにかく変わっています。50年ぐらい前の昭和に戻った気分です。

国宝指定の仏像がある円成寺

そこからしばらく歩くと円成寺にでます。ここのお庭は池がポイントで、周りに植物が形よく植っていて美しい。平安時代初期に創立されたお寺だそうですが、国宝に指定されている仏像、建物などもあります。

その隣には里という食事処があり、ここで昼飯。女性二人で切り盛りしていて、食事はとても美味しい。僕は松茸ご飯定食を食べたのですが、すぐにこの松茸は国産のものではないことを説明してくれました。正直です。

田畑の中を歩く里歩き

そこから再び山道に入り坂道を下っていくと目の前が開けてきて人里に出ます。ここが大柳生。柳生まではまだかなりあるのですが、ここからはいくつかの集落をめぐり田畑の中を通り抜ける里歩きとなります。そしてようやく目的地の柳生の村に到着。ここまで奈良町からは約3−4時間かかります。

大和茶生産農家さんを訪ねる

柳生では大和茶生産農家である方のお宅へ伺いました。日本でのお茶の生産農家は数多いのですが、専業でお茶を栽培されている方はそれほど多くはありません。家は柳生の里が見渡せる高台にあり、本当に美しいところです。

お茶畑は横にありますが、それほど大きくもなく、こんなものなのかと思っていたところ、その裏のお茶畑を見て仰天。とても広いです。これをお一人で管理されているから尚更の驚きです。

農協に卸すだけではなく自分のブランドを作って消費者に直接販売しようという試みをされており、それを通じて知り合うことになりました。

奈良町への帰路は路線バスを使用します。1日に何本かしかありませんが、苦労することなく奈良駅まで連れて行ってくれます。今回は行きませんでしたが、奈良は東大寺、興福寺、薬師寺、法隆寺、新薬師寺、など他にも見所がいっぱいで、歴史の流れを感じるところです。そして歩くには最高のところであります。

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